「赤ちゃんの分もお金がかかるのか」。水族館は施設ごとに無料の範囲がまるで違い、しかも料金表の下のほうにしか書かれていません。関東の11館について、公式の料金表と設備を1件ずつ確かめました。
1. カワスイ 川崎水族館(神奈川・川崎市)

JR川崎駅の東口から徒歩1分。川崎ルフロンというビルの9階と10階が水族館で、外を歩く距離がほとんどありません。公式が「室内型の施設のため、雨の日でもお楽しみいただけます」と書いています。
3歳以下は無料(幼児は4歳以上で800円、大人2,200円)。平均滞在は公式回答で約90分です。おむつ替えは10階・9階のトイレにあります。男性トイレにもあります。⚠️ 10階エントランスの男性トイレだけ例外です。
夜8時まで開いています(最終入館19時)。閉館17時の館と違い、昼寝のあとに出ても回れます。ただし授乳室は9階にmamaroが1台だけです。
結論:無料の範囲が4通りに分かれる
先に答えを出します。12館は、赤ちゃんが無料になる範囲で4つに分かれます。
葛西臨海水族園だけが小学6年生まで無料です。次がさいたま水族館の未就学児まで無料。残りは3才以下が無料の7館と、2歳以下が無料の3館(すみだ水族館・アクアワールド大洗・新江ノ島水族館)に分かれます。1歳の子を連れて行くなら、どの館でも子どもの分はかかりません。
以下、1館ずつ公式の書き方をそのまま載せます。
小学生まで無料の1館
2. 葛西臨海水族園(東京・江戸川区)
都立の水族園です。小学6年生までは無料、都内に住んでいるか通っている中学生も無料。大人は700円、65歳以上は350円です。家族が何人いても、払うのは大人の分だけで済みます。
おむつ替えは公式が「園内のすべてのトイレに設置しています」と書いていて、場所を探す必要がありません。授乳室は2か所(本館2階は個室が3台)。調乳用のお湯と離乳食用の電子レンジも、スタッフに頼めば用意してもらえます。
ただし館内にベビーカー置き場がありません。土日は人が多く、ベビーカーだと水槽が見にくくなります。
未就学児が無料の1館
3. さいたま水族館(埼玉・羽生市)

県営の羽生水郷公園の中にある水族館です。未就学児は無料、大人400円、小人(小・中学生)100円。⚠️ 特別企画展の期間中は大人500円・小人200円に上がりますが、未就学児は無料のままです。
赤ちゃん連れの設備が厚い館です。公式に授乳室だけの専用ページがあり、「オムツ台2台、授乳室が3室ございます」と書いています。授乳室は男性も使えます(公式が明記)。ミルクのお湯と電子レンジも、申し出れば案内してもらえます。
ベビーカーと車いすは券売所で無料貸出。公式が「全ての展示を車椅子でご覧になれます」と書いています。公園内のトイレは全部ベビーケアルーム付きで、遊具で遊んでいる途中に館内へ戻らずに済みます。駐車場は無料で約600台、当日券で再入館でき、1周1時間程度です。
⚠️ 弱点は2つ。水族館の敷地内では食事ができません(食べるのは入口前の屋根付き休憩舎)。そして羽生駅・加須駅から7キロメートルあり、車で行く施設です。
3才以下が無料の7館
入場券が必要になるのは4才からです。0〜3才は無料で入れます。
4. しながわ水族館(東京・品川区)

ベビーカーについて、公式がいちばんはっきり書いている館です。「ベビーカーを使用したまま館内をご見学いただけます(エレベーター(館内2ヶ所)、各所スロープなどバリアフリー対応)」。
料金表は「幼児(4歳以上)300円」が最下段で、それより下の区分そのものがありません。3歳以下は無料です。
授乳室は個室が2つ、調乳用の温水器つき。ミルクと離乳食はイルカルームで食べられます。紙おむつは館内で買えます。ただし土日祝は、入口前にベビーカーを置くようすすめられます。
5. 横浜・八景島シーパラダイス(神奈川・横浜市)
入島は無料で、3才以下はチケットも要りません。広いぶん、赤ちゃん連れは「どこを起点にするか」で疲れ方が変わります。
答えはセンターハウス1階です。ベビーカー貸出所、給湯器つきのベビールーム、救護センター、迷子センター、車イス貸出所がここに並んでいます。電子レンジがあるのは、このセンターハウス1階のベビールームだけなので、離乳食を温めるならここに戻ることになります。
ベビールームは島内5か所。ベビーカーの貸出があり(要予約)、ベビーミールもあります。
6. サンシャイン水族館(東京・豊島区)

観覧の目安は公式で約1時間。歩き始めの子でも最後まで回りきれる規模です。
料金は入場日によってA〜Dの4段階に変わりますが、変わるのは大人だけです。大人が2,600〜3,200円で動くのに対して、幼児(4才以上)は800円、小・中学生は1,300円で全日程同じ。混みそうな日を選んでも、子どもの分は増えません。
再入場ができません
会員証か年間パスポートを持っている場合を除いて、一度出ると戻れません。授乳・おむつ替え・昼寝はすべて館内で完結させる前提で考えてください。ベビールームは館内にあるので、そこは困りません。
7. マクセル アクアパーク品川(東京・港区)

品川駅から徒歩2分、全館が屋内。年齢の下限も決められていないので、生後まもない時期でも入れます。行きやすさという点では群を抜いています。
引っかかるのは2点です。
飲食物を持ち込めないのに、館内にレストランがありません
離乳食を温めることはできますが、持ち込みそのものができません。食事は入館前か退館後に済ませる前提になります。
もうひとつ、授乳室は順路の最後(2階)の1か所だけです。おむつ替えは館内6か所にあります。
館内が暗いのも、赤ちゃん連れには効いてきます。訪問レポートに「足元が暗くベビーカーだと動きにくい」「暗くて少し怖がっていた」という声が複数ありました。
8. 鴨川シーワールド(千葉・鴨川市)

シャチのパフォーマンスを見られる、東日本では数少ない水族館です。入館料は大人3,300円、幼児は4歳以上で1,300円。3歳以下は無料です。
授乳室が館内3か所、おむつ替え台も3か所。ベビーカーは正面入口で1日300円で借りられます(予約不可・数に限りあり)。
⚠️ シャチの会場は屋外です。水槽の展示は屋内なので、天気が悪い日はそちらへ回ります。
紙おむつを、各売店のレジで売っています
公式が「各売店のキャッシャーでは紙おむつの販売も致しております」と書いています。足りなくなっても現地で買えます。
⚠️ 授乳室の場所は公式の文章になく、施設サービスマップのアイコンだけで示されています。アイコンは園の西寄り・中央・東の端にひとつずつです。
隣のオフィシャルホテルに泊まると、入館が無料になります。じゃらんの紹介文に「鴨川シーワールド入館無料!ホテルに隣接し、出入り可で便利。」とあります。
9. 箱根園水族館(神奈川・箱根町)
芦ノ湖のほとり、海抜723mにあります。公式は「海水の大水槽を持つ水族館では日本で一番標高の高いところにある水族館」と書いています。料金はおとな1,600円/こども(4才〜小学生)800円で、3歳以下は無料です。
ベビーカーについて、公式が「館内はすべて車椅子で移動可能です」と明記しています。よくある質問にも「水族館内、ななかまどの通路は、スロープを設置しております」とあり、ベビーカーのまま回れます。おむつ換えシートは3か所(水族館内・レストランななかまど・園内公衆トイレ)。
ただし授乳室は水族館の中ではなく、箱根園ショッピングプラザ2Fという別の建物にあります。再入館できるかどうかは公式に書かれていません。授乳は入館する前に済ませておくのが確実です。
バイカルアザラシとゴマフアザラシが一緒に暮らしていて、アザラシフィーディングタイムが毎日11:00と13:00。大水槽では海中ショー(平日13:45/土日祝10:15・13:45)があります。
2歳以下が無料の3館
10. すみだ水族館(東京・墨田区)
無料の範囲が2歳以下です。3歳になると子どもの分がかかります。
そのかわり、持ち物と段取りがいちばん少なくて済む館です。ベビーカーは館内をそのまま回れ(貸出はありません)、飲食物は持ち込めます。授乳室は5階と6階、おむつ替え台は計7台。滞在の目安は公式で約1時間半で、午前中いっぱいでちょうど収まる規模です。
11. アクアワールド茨城県大洗水族館(茨城・大洗町)
3歳未満が無料で、3歳になると幼児料金400円がかかります。大人は2,300円。
ここで効くのは料金よりベビーカーの条件です。公式が「ベビーカーの対象年齢は生後2か月〜2歳までです」と書いていて、しかも無料で借りられます。この月齢を名指ししている施設は多くありません。⚠️ ただし13台で事前予約ができないので、開館直後に借りるのが確実です。
もうひとつが完全個室のベビーケアルーム「mamaro」。公式が「男性女性を問わずご利用いただけます」としていて、父親が使えます。3階出口付近のものは無料ゾーンにあるので、入場しなくても使えます。
駐車場も無料(約750台)で、当日中なら再入場できます。
おむつは売っていません
公式が「オムツ販売:なし」と明記しています。多めに持って行ってください。授乳室(3階)にはお湯も電子レンジもありません。粉ミルクのお湯はリラックスカフェ マーメイドかフードコート、離乳食の温めはマーメイドに頼みます。
12. 新江ノ島水族館(神奈川・藤沢市)
3歳未満が無料で、3歳から幼児料金900円。大人は2,800円です。
ここで効くのは料金より滞在時間の短さです。公式FAQが「イルカショーや相模湾大水槽、ペンギンのショー等を含めて1時間半〜2時間くらい」と答えています。午前だけ、午後だけで収まります。当日中なら再入場でき、飲食物も持ち込めます(アルコールを除く)。
授乳室は1F入場口奥と2F総合案内近くの2か所。調乳用の熱湯(約95℃)が出る蛇口と電子レンジが、授乳室の中にあります。お湯をもらいにカフェへ行く必要がありません。
授乳室は女性専用です
公式が「女性専用」と明記しています。父親が使えるのは1F出口横のベビーケアルーム「mamaro」1台だけです。⚠️ 専用の駐車場もありません(近隣駐車場の割引もなし)。電車で行くほうが確実です。
⚠️ 貸出ベビーカーはB型で「7か月〜2歳頃まで用」、1台300円。事前予約はできません。
⚠️ 開館時刻が時期によって8時・9時・10時と変わります。12月1日〜25日と1月7日〜17日は10時開館で、1月18日〜24日は休館日です。
0〜3ヶ月から行けるのはどこか
ベビっとでは、施設ごとに月齢・年齢の相性を ◎○△× の4段階で判定しています。0〜3ヶ月に ○ が付いているのは7館です。
- 横浜・八景島シーパラダイス… 入島無料で、途中で引き返しても損をしない
- しながわ水族館… ベビーカーのまま回れると公式が明記している
- アクアワールド大洗… 貸出ベビーカーが生後2か月から。父親も使える個室のベビーケアルームがある
- 新江ノ島水族館… 滞在の目安が1時間半〜2時間と短く、調乳用の熱湯と電子レンジが授乳室の中にある
- 鴨川シーワールド… 授乳室とおむつ替え台が3か所ずつ。紙おむつを各売店のレジで買える
- さいたま水族館… 授乳室が3室でおむつ台が2台。ベビーカーは無料貸出で、全ての展示を車いすで回れる
- 箱根園水族館… 館内はすべて車椅子で移動可能と公式が明記。おむつ換えシートが3か所(ただし授乳室は水族館の外)
残りが △ なのは、館内が暗い、音が大きい、再入場ができない、といった理由です。行けないという意味ではありませんが、首がすわる前に行くなら上の6館のほうが楽です。
行く前に確かめること
ベビーカーで回れるかは、館内より「置き場」で決まります
どの館も、ベビーカーで入ること自体はできます。差が出るのは置き場のほうです。葛西臨海水族園は館内に置き場がなく、しながわ水族館は土日祝だけ入口前に置くようすすめられます。サンシャイン水族館は館内では置き場の利用がすすめられていて、貸出はアルパ側で無料です。
もうひとつ、見落としやすいのが食事です。持ち込めるのはすみだ水族館とサンシャイン水族館、温められるのは葛西臨海水族園・しながわ水族館・八景島・アクアパーク品川。アクアパーク品川とカワスイは、持ち込んだものを館内で食べられません。
各館の授乳室の場所、月齢ごとの相性、当日つまずきやすいことは、水族館の一覧から個別のページで確認できます。


